真田町国道144号線から長野市方向へ峠道を登ると新地蔵峠に至る。間もなく真田町・長野市の境界と思う頃、道路左手の 藪の中に崩れかけた建物が見える。
一見納屋のようであるけれど、それにしては不自然に広い建物の前の空間とその先のなだらかな斜面が気になる。
古い地図を見ると”長野地蔵峠スキー場”なるものが出ているが、これは長野市側に所在する事になっている。 だが、長野市側は急カーブの続く典型的な峠道で、およそスキー場となりうるような気配は無い。
腐りかけた柱と、傾いた赤いトタン屋根は自らの過去を語る事を拒んでいるかのように見えた。

訪問・1991年(平成3年)

2021年12月30日追記：この山中も観光施設などの大規模な開発が進んで、空中写真等を見ても当時の痕跡すら分からなくなっていました。
道路も嘘のように広く緩やかに改修されていて、貨物満載のカローラバン(EE98)がローギヤじゃないと登れないヘアピンカーブの急坂が有ったなどと言ってももう誰も信じてくれないでしょう(苦笑)