東日本大震災体験談…震災発生…3月11日・その1
運命の日、2011年(平成23年)3月11日
この日の朝もいつものようにうつ病の影響で出社時刻ぎりぎり(08時20分頃)まで起床出来ず、朝食抜きで出勤しました。
午前中は地震が無かったのか、忙しくて気がつかなかったのか、揺れたと言うmixi日記はありません。
昼休みも食欲が無いので食事抜き。退屈しのぎに2つある湯沸かしポットを満タンにしておきました。
はっきりとした時刻の記憶がなぜかありません。あの時、CAD(パソコンの製図用ソフトウエア)で何かの図面を書いていたのは確かです。
もうじきお茶イチ休みしようかと言う頃に大きな地鳴りが聞こえてきました。咄嗟に作図途中だけどCADを保存。
石油ファンヒーターが自動消火していたようなので、恐らく震度5弱以上の揺れの中 Hi-net 高感度地震観測網 AQUAシステム震源速報 を開くと「宮城県沖M5」の表示。
3月9日11時45分に宮城県沖で起きた5弱の地震を思い出して「また宮城県沖だ！」と叫ぶと同時くらいに猛烈な揺れが来ました。
それまでの揺れはP波だったのでしょうけど、揺れの激しさからS波のようなつもりになっていたので不意を突かれました。
Hi-netを見ていたパソコンの右モニターがどこかへ吹き飛んでいきました。
UPS(無停電電源装置)の警報音と地鳴りと建物が軋む音が混じる中、左モニターは表示していたので通常通りの操作でPCをシャットダウンできました。
先に席を離れた人達からは「パソコンなんかいいから早く逃げろ、後ろのキャビネットが倒れるぞ」と声が掛かるのですが、激しい揺れで歩ける状況ではありませんでした。
仮に歩けたとしても、右側へは机の引き出しが飛びだしたり引っ込んだりを繰り返して動けず、左側は二段積みキャビネットの上段が飛んで床に落ちて通れません。
前は机、後ろはキャビネット、どこにも行けません。机の下に潜れとは聞いていましたが、しゃがんだまま転ばないように突っ張るのが精一杯でした。
一方、席を離れることができた人達は、ケーブルの長さの限り暴走する複合機や倒れてくる観葉植物から逃げようと必死の様子です。
給湯室からは次々とコップや茶碗の割れる音が聞こえてきます。
見ていた人の話では、まるで手品のように次々と棚から飛び出して割れていたそうです。
揺れは収まるかと思うと更に大きな揺れが重なってくると言う感じで、何分間揺れ続けたか判りません。
一旦揺れが収まると「凄かったな、おい」と聞きなれない声、建屋の増築工事を依頼していた職人さん達が足場から降りてきました。
「大丈夫でしたか？」と声を掛けている間にも余震が次々と来る。揺れ終わる前に次の余震が起きる状態。
流石に職人さん達は専門家だけあって、建物を見まわすと「これなら余震で倒れる心配は無さそうだけど、一応駐車場へ出て、落下物があるといけないから建物の近くや、停電しているけど電線の下を避けて様子を見よう」とアドバイスをしてくれました。
御礼を言いつつ、ふと気がついてmixiに「揺れた…社内ぐちゃぐちゃ」とだけ書き込む。14時51分。
近所のコンビニへ出掛けた面々が手ぶらで帰ってくる。商品はあるが停電でレジが開かなくなって会計が出来ないので閉店していると言う。
自分の机の隣にデータのバックアップを取っているHDDが2台置いてありました。
火災発生などの最悪の事態に備えて、技術部長と2人がかりで駐車場に運び出し、納品時の緩衝材に使うボロ毛布で包みました。
しかし毛布で巻いたとはいえ地べたに置くのも問題だろう…と一番頑丈そうなライトバンの荷台に積み込みました。
相変わらず余震は毎分数回以上のペースで起きているけど、開き直って身の回り品や重要資料を持ち出しに建屋内に戻りました。
しかし停電で屋内は薄暗く、懐中電灯の有るキャビネットには近づけず、いつ先程の様な揺れが再び来るか心配で落ち付きません。
そういえば防災無線の個別受信機が社長席の辺りにあった筈…と見まわすと、吹っ飛んだキャビネットの下敷きになって歪んでいた。
それじゃダメじゃん。
ふと、先程の書込みでは情報不足で友人知人の不安を増すかと思い「余震続きます…停電、電話不通」と追加の書込みをした。14時59分。
更に携帯機種変更後、まだ一度も使った事の無かったカメラで3駒社内を撮影後屋外へ退避して「被害日記…ぐちゃぐちゃです」とその写真をUpしたのが15時13分。
先程の書き込みにコメントが付いているようでしたが、電池残量が気になるのと、通信が徐々に重くなってきたので読むのは諦めました。
11日15時過ぎの社内
11日15時過ぎの社内スチール製のキャビネット上段が床に落ちている
11日15時過ぎの社内