東日本大震災体験談…震災発生…3月12日・その1へ戻る

2011年(平成23年)3月12日

日付が変わっても余震が絶え間なく続きます。
もう何か作業する訳でもないので電池の節約の為に単3懐中電灯を消しました。 しかし普段なら駐車場の照明で明るい室内が真っ暗になってしまいました。
これでは精神的にもたないので、常夜灯代わりに単4ｘ1本の懐中電灯を点灯させて夜を明かしました。

単4ｘ1本の懐中電灯

何時だったか記憶がありませんが、ラジオが長野県北部で大地震と言い始めました。 こちらは自分の事で精一杯、何がどうしたのか理解出来ず、途切れることを知らない余震に怯えるだけです。
やがて待ち望んだ夜明けですが、昨日は気がつかなかった散乱状況が露わに見えてしまったので少し片付けをしました。

出勤しても仕事にならないのは判っていましたが、一応出社しました。
途中生きている信号機が一基だけ、街全体が死んだようになっているのに、非常に奇異な存在に見えました。

出勤してきたのは4,5名くらい、大物の片付けは無理なので飛び散ったファイルなどや、給湯室の片付けだけやって解散する事にしました。
誰かが「掃除機が使えればなぁ」。昨夜の闇に続いて、改めて電気の有難さを実感します。
それにしても水が欲しい。蛇口を捻ってもウンともスンとも言いません。と、湯沸かしポットが有る事を思い出しました。 見ると、満タンからはほんの少し減っているもののしっかり残っています。
持ち帰りできそうな容器が無いかと資源回収桶を漁ると、ミネラルウォーターのボトルが潰しもせずキャップ付で放りこまれています。 何と不謹慎な奴だと感謝しつつ一寸濯いでポットの中身を移し替える…と言っても、電気が来ていないので自動で注げません。 薬品用は実験室にあるけど、台所用の漏斗は無いのでポットを傾けてペットボトルに直接恐る恐る流し込んでいると同僚が見つけて
「あ、いいことしてるな～」
もう一つのポットを持って行ってしまいました(笑)
それでも3L近く水を確保できたので心強い事この上ないです。早速一口だけ飲んだら実に旨かった！
結局1時間程型付けなどやったけど、どうせまた余震で崩れるだろうし、適当な所で解散しました。
帰途、コンビニやスーパーを廻ってみてもどこも休業していました。石油スタンドも昨日のまま放置されています。

帰宅しても片付け以外何もできません。しかも何とも言えない疲労感で作業が進みません。
そういえば10日の晩から何も食べていませんでした。 水が手に入ったのでポテチを少し食べてみたのですが、何味だったかどうしても思い出せません。
そうこうするうちに日が暮れてしまい、また眠れぬ夜を迎えました。