洞爺丸事件…青函航路開闢から敗戦まで・その5
米海軍第38(58)任務部隊(Task Force38/58)
1945年(昭和20年)7月14日、正規空母7隻、軽空母6隻、戦艦8隻、巡洋艦15隻、駆逐艦約50隻より構成される米海軍第38(58)任務部隊(同一艦隊に複数呼称が有った模様…敵の諜報を攪乱する目的と思います)の艦載機による空襲がありました。
この日、青函連絡船12隻中11隻が撃沈され352名が戦死しました。翌15日、残りの1隻も撃沈されました。
本州と北海道との物流を止め、特に軍の燃料弾薬の補給を絶つ目的だったのでしょう。兵站を潰すのは戦争をする時の基本です。
- 06時18分：第四青函丸…葛登支岬南東3.9海里(7.2km)で沈没
- 07時20分：松前丸………七重浜で擱坐炎上
- 07時30分：第十青函丸…函館港防波堤灯台北北西600mで沈没
- 07時30分：第三青函丸…矢越岬東南3.8海里(7km)で沈没
- 14時50分：第七青函丸…函館港内で工事中に被弾航行不能
- 15時10分：第八青函丸…函館港内で休航中に被弾航行不能
- 15時10分：津軽丸………狐越岬東4海里(7.4km)で沈没
- 15時30分：第二青函丸…青森港2号浮標北北東1海里(1.9km)付近で沈没
- 15時40分：飛鸞丸………青森港2号浮標北北東2海里(3.7km)付近で沈没
- 15時55分：翔鳳丸………ほぼ同所で沈没
翌7月15日14時40分、第一青函丸三厩湾で沈没、青函連絡船全滅。
8月10日稚泊航路より応援に来た「亜庭丸」夏泊半島西側の茂浦で沈没。
攻撃を受け急転舵、回避を試みる「翔鳳丸」、操舵室付近から黒煙を噴き上げている。
300kt(550km/h)程で突っ込む機敏な戦闘爆撃機や艦上爆撃機と10kt(19km/h)程度の装甲も防水隔壁も無い連絡船、勝負は赤子の手をひねるように…
急転舵で回避を試みる「翔鳳丸」