洞爺丸事件…青函航路開闢から敗戦まで・その5へ戻る

この日、函館要塞も対岸の 大間要塞 も沈黙したままだったそうです。 存在の秘匿も有ったのでしょうけど、元々が津軽海峡に侵入する敵艦艇を砲撃する目的の要塞で、対空戦闘は全く想定されていませんでした。 しかし、船に大砲を撃つ戦争は真珠湾攻撃やプリンスオブウェールズ・レパルス撃沈で既に終わり、珊瑚海海戦で飛行機が主役の時代へ世の中は変わっていたのです。

陸上要塞は役に立ちませんでしたが、決して海軍も茫然と眺めていたわけではありません。 大間崎、本州最北端の碑の傍に、敵艦載機と戦った特務艦「豊国ほうこく丸」の慰霊碑があります。

日本海軍特務艦豊国丸
1274総トン、乗組員147名中生存12名

日本海軍特務艦豊国丸戦死者忠霊碑

日本海軍特務艦
豊国丸戦死者忠霊碑
内閣総理大臣福田赳夫書

戦死者名簿には出身地東北・関東甲信越他全国各地の都道府県名が見られました。

碑文

昭和二十年七月十四日
午后二時三十六分米軍
艦載機と交戰し　激斗
のすゑ乗員百三十五名の
勇士　艦と共にこの
海に眠る


英霊に捧ぐ
海を征き
海に散りたる
つわものゝ
御霊よ永遠に
あらかにあれ