エルトゥールル号事件…横浜滞在と明治天皇謁見へ戻る

和歌山県東牟婁郡串本町

串本町紀伊大島樫野崎「船甲羅岩礁」

古より船乗り達に恐れられていました

1890年(明治23年)9月16日、エルトゥールル号は樫野崎沖を航行中、折からの台風に遭遇します。 当日午後には風波に翻弄され進退の自由を失い、全速前進で持ちこたえようとしたものの徐々に樫野崎に寄せられました。
神奈川県の資料では
「20時頃、和歌山県南端大島樫野崎灯台沖およそ8km付近でピストンロッドを折損し航行不能に陥いり、強風によって灯台下に吹き寄せられたので急ぎ投錨したがまにあわず、艦尾を岩礁に三度衝突、このため船体はたちまち分解して沈没してしまったのである」
とあります。

エルトゥールル号ほか３隻の船舶の台風による沈没を知らせる当時の図版
出典：『日土協会会報』23号,1939年(山内豊中氏蔵)

忽ち大浸水、これが罐へ流れ込み水蒸気爆発を起こしました。 オスマン海軍少将以下587名殉職、生存者は僅か69名という大海難事故の発生でした。

写真でお判りいただけるかどうか、座礁した岩は目と鼻の先に見えています

ほぼ中央にある、この写真のうち一番大きな岩に衝突したのです