樺太犬訓練記念碑・樺太犬供養塔…第1次観測・その1へ戻る

2月19日、随伴船海鷹うみたか丸(2代目)と共に南アフリカのケープタウンに入港。 補給・休養の後29日出港、31日の大晦日暴風圏に入ります。 「吠える40度、狂う50度、絶叫する60度」と言われるこの海域で、宗谷は最大62度のローリングを記録しました。
1957年(昭和32年)1月4日、暴風圏を通過、最初の氷山に遭遇します。

”吠える40度”に苦闘

1957年(昭和32年)1月24日、南緯69度00分22秒・東経39度35分24秒オングル島プリンスハラルド海岸に接岸。 これ以上の前進は困難との判断で1月29日公式上陸、直ちに荷卸しを開始しました。

プリンスハラルド海岸に接岸、荷卸しを行う

2月15日12時30分、宗谷は西堀栄三郎越冬隊長以下11名の第1次越冬隊員、雪上車4台、カラフト犬19頭、猫1匹、カナリア2羽を残し、来年の再会を約して長い汽笛を鳴らしつつ南極を離れました。
余談ですが、冬山登山家西堀栄三郎氏は小学校で習うあの有名な歌の作詞者です。

雪山讃歌(ダーク・ダックス)
作詞：西堀栄三郎・(社)京都大学学士山岳会、アメリカ民謡

しかし翌16日より天候悪化、宗谷の周りをパックアイス(海水が凍結した氷)が取り巻きます。 18日状況は更に悪化、19日には｢現状では、如何なる機械力をもっても脱出不可能」と打電、最悪の場合氷海の外で待機する随行船「海鷹丸」に観測隊員をヘリコプターで移送し、宗谷は越冬の覚悟で準備を始めます。

完全にビセットされる(結氷で行動不能状態)